世界にはばたく 奈良教育大学附属中学校科学部
これからの私たちの健康と医療


 私たちは、「Body Forward」をテーマに、これからのわたしたちの健康増進と最先端の医療について調査・研究しました。
 そして、9つのチームに分かれ、それぞれに興味のあるものについて調べ、ポスターにまとめました。
「Body Forward」の世界へGO!

 



 この写真の右側の図は最新のハイテク義手です。(左は、従来の義手)
 事故などで腕が亡くなった場合、iPS細胞などでの再生ができない場合もあります。その時は、義手を使いますが、従来の
義手は関節が三か所しかありません。そのため、動きが限られとても不便です。
 しかし、ハイテク義手だと関節が二十二か所もあります。そして、その一つ一つが電動で、脳からの指令をキャッチして動くので、力強く、思いどうりに動くようになっています。
 煙草は、ナス科の植物であるタバコからつくられています。その成分には、有毒で、習慣性の強い「ニコチン」が含まれています。長い間吸っていると肺などに、悪影響を与えます。
 薬物(ドラッグ)とは、覚せい剤や、大麻など、体に悪影響を与える物の総称です。
 MADAなどの化学薬品を合成したものから、大麻などの自然にあるものから作られたものまで種類は数えきれません。
 症状も多様で、幻覚や幻聴、精神が錯乱状態になったりします。依存性が高く、とても危険なものです。
 宇宙放射線とは宇宙空間や、太陽などから降ってくる、高エネルギーの粒子のことです。地球上では、大気や磁場にさえぎられて降ってくることはありません。しかし、宇宙空間では、その影響により遺伝子などに悪い影響をおよぼします。
 これから先、宇宙開発が進み、人間が宇宙に長期滞在するようになることでしょう。その時には、宇宙放射線の詳細をよく知り、しっかりと対策を施すことが大切です。
 紫外線とは、太陽から降ってくる物質で、その中には、UV-A、UV-B、UV-Cがあります。この中で最も危険なものがUV-Cです。あらゆる細胞を破壊します。地上にはオゾン層により、ほとんどが吸収され、届きません。
 紫外線によりおこる病気は、皮膚がんや、シワ、シミなどです。どれも命に害はありませんが、皮膚がんなどは全身に転移する場合があります。シワやシミなども、治療するのはとても難しいです。
 遺伝子治療を行うために治療用遺伝子を治療する遺伝子に入れる仕組みを「ベクター」といいます。
 ベクターは、基本的に病原性をなくしたウイルスが使われます。特にレトロウイルスというウイルスが向いています。これは、1908年、ニワトリに白血病を起こすウイルスとして、発見されました。
 iPS細胞とは、皮膚などから作成できる多くの細胞に分化できる夢のような細胞です。「万能細胞」とも呼ばれていますが、実際は「人工多能性幹細胞」といいます。
 これを利用することで、臓器の作製が可能になり、臓器の取り換えができるようになります。もし、臓器がガンになった場合でもそれを取り換えれば、治療が簡単になります。
 
 どんな薬でも遺伝子によって効果が大きかったりなかったりします。
 なので、その人その人に合った薬を作ることが大切です。そのためには、薬の遺伝子を組み替えることが必要です。
 これは、薬に限ったことでは、ありません。臓器移植の際、自分と似た臓器を持つ人はなかなかいません。いたとしても、その人が臓器をくれるとは限りません。そこで、遺伝子がほぼおなじ子供を産み、その子供が成長してから臓器移植をする方法があります。彼らを「救世主兄弟」といいます。この方法は、ほぼ確実に治療が成功するといわれています。
 煙草が人体に及ぼす最大の原因は、煙草の煙に含まれる酸化窒素ラジカルです。それが体内に入ると、ヒドロキシル・ラジカルという活性酸素を作り出します。それにより、DNAが障害され、ガンになるのです。
 紫外線、特にUV-Bを浴びると活性酸素がつくられて皮膚細胞の中のDNAがダメージを受け、皮膚ガンになります。
 ガン予防ができる食品は味噌、野菜スープ、青背の魚が有効です。
 さらに私たちは、多くの本を読み、より多くの知識を得ました。わたしたちの健康は、一つの見方ではなく、さまざまな角度から考えることが必要だと感じました。




・煙草を吸うだけでいろんなガンにつながるんだなと思った。ガン予防の食品を進めたい。
・ベクターはあまり聞かない名だが、調べていくうちに遺伝子治療の要素ということがとてもよく理    解できた。これ からもこれからもips細胞と同じくらい注目をあびて研究が進んでほしいと思う。
・遺伝子には無限の可能性があるので、調べていくとおもしろかったです。
・遺伝子治療は、将来的に確実な治療だと思いました。
・人の口に入る物を生産することは、人の命も預かる仕事だもあるなと思いました。
・あまり良いようにに思われていない遺伝子組換えは、うまく使うとあらゆる方面で良いことをもた    らすことがわかりました
・iPS細胞のことは、まだまだ書き足りないですが、研究して、僕自身すごく成長したと思います。




 今回私たちは、これからの医療技術についても考えました。
 医療は、これからもどんどん進化します。そして、平均寿命はますます伸びていきます。しかし、自然の営みの中で死んで行くものです。その営みの中で生きているからには、それを理解し、従っていかなければいけないと思います。その中で、どれだけ医療というものを生かしていけるか、これがこれからの課題ではないでしょうか。

2011/03/08 

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